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2025年 5月30日(金) 現地開催
JaSST'25 Tohokuは エル・パーク仙台での現地開催となった。
日本各地から、経験年数も業界も多種多様な方が参加されている。
実行委員長の真鍋氏は「ワークショップを通して交流し、このイベントが一歩を踏み出すきっかけになると嬉しい」と述べた。
ソフトウェアテストは大きく複雑で面倒なため、ひとりでは取り組めない。大きくて不明瞭なものは、一度分解して考えるのが良い。
テスト設計を「テスト開発プロセス」というシステムとして捉え、テスト目的やテスト要求の達成のために、必要な情報や相互作用を整理することが重要である。
情報同士の関係性を理解するために、「それはなぜ?」「で、どうなるの?」という問いかけを活用し、情報を体系化していくことができる。
設計を行わないことによるリスクは、事前検証や知識共有、コミュニケーション機会の喪失である。
設計がもたらすご利益とは、手戻りの削減や納得感のある合意形成がある。これはテスト設計にも当てはまる。
VSTeP(Viewpoint-based Test Engineering Process)のテストフレームやテストコンテナといった概念を活用し、複雑なテストケース間の関係性を整理することができる。
最後に、テスト設計力の重要性と、継続的な学びの必要性が強調された。
「この講演は、ワークのためのインプットである。ワークショップに役立つ情報をどんどん投入する。」という言葉通り、基調講演の情報量に圧倒された。
聞く人の立場や経験によっても、得た情報や理解したことは大きく変わったであろう。「テストは面白い」という言葉からは、テストへの強い思い入れを感じた。
昼休憩を挟み、午後からは机を移動させ4名のグループになって取り組んだ。
テスト開発の復習を行ったのち、VSTePの概要説明、ワークの説明へと入っていった。ワークショップの狙いは、VSTePの技法の理解ではなく、業務に活かせるエッセンスを持ち帰ることであると説明された。
ワークショップ1では、テスト観点を考えるワークに取り組んだ。テスト対象の仕様書とペルソナの情報をもとに、付箋と用紙を利用して、グループで話し合いながら「何を確認するのか」を洗い出した。
ツリー構造でテスト観点図を作成したのち、各グループの成果物を見学し、説明を受ける時間を取った。
各自で書き出した付箋の内容について、人によって解釈が異なることが多々あった。
「グループ内で合意を取ることが大事」と説明している意味を実感した。
ワークショップ1で作成したテスト観点図をもとに、テストコンテナ図を作成した。
議論が煮詰まった場合は、スタッフに相談し、ヒントをもらいながらワークを進めた。
作成後には、各グループの成果物を見学し、説明を受ける時間を取った。
自分のグループでは、テストタイプをテストコンテナとし、前後関係を整理していった。
各グループで、どのように確認するか、どのような順番で確認すべきか、テスト観点のグルーピングなどの議論を交わしていた。
改めて、テスト設計に正解はないこと、関係者で納得して進めることの重要性を学んだ。
普段の業務では、ひとりでテスト分析やテスト設計の作業を行うことが多い。
そのため、ワークショップで複数名と議論をしながらテスト設計することは純粋に楽しかった。
そして、自分にはない視点や観点を学ぶことができた。
VSTeP自体の理解だけではなく、ワークショップの良さも実感することができた。
記:森田 麻沙美(JaSST Tokyo 実行委員)