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国際調査活動
 CFTL(フランス)主催 JFTL 参加レポート


報告者 / 大西 建児 (NPO ASTER)

写真/CFTL バナー
[写真1] CFTL バナー

2013年3月26日 フランス パリにて開催されたJFTL(Journée Française des Tests Logiciels – French / Software Testing Day)にISTQBの加盟National BoardであるCFTL(Comité Français des Tests Logiciels )による招聘にて参加してきましたので、その概要をレポートします。

写真/CAP15 外観
[写真2] CAP15 外観
写真/受付風景
[写真3] 受付風景

JFTLは日本で開催されているJaSST(ソフトウェアテストシンポジウム)と同じように、ソフトウェアテストをメインテーマにしたイベントです。
会場はパリ市内のエッフェル塔から近く、CAP15という名称の建物で催されました。

開催日数は1日で、参加者数およそ500名程度という規模のイベントです。

基調講演を含めたメイン会場での全体セッションと小会場による3つのパラレルセッションにより構成されます。 プレゼンテーション会場外ではスポンサーや協賛団体による展示ブースが出展していました。
プログラム詳細は以下を参照ください。
【プログラム詳細】(http://www.jftl.org/index.php?id=69) (※フランス語)
JFTLはこれまで既に4回開催されており、毎年ISTQBによるソフトウェアテストの資格認定制度のワールドワイドな広がりをフランスのテストに関わる技術者に実感してもらうために、CFTLが他国のNational Boardを毎年招聘してきたそうです。(昨年がイタリア、一昨年はチュニジア、その前がマレーシア)
今回CFTLからは日本でのISTQBやソフトウェアテスト分野のトレンドなどをJFTLの場で紹介して欲しいとの依頼がありました。本依頼に対してJSTQBでは、ISTQBという資格認定スキームの下、国際的な協調や連携という観点で、お引き受けすることにしました。
日本からの紹介内容を検討したときに、JSTQBの運営団体であるNPO法人ASTER内での事業内容にとどまらず、折角の機会なのでソフトウェア品質への取り組みや国内でのソフトウェアテスト分野のサービス事例なども紹介すべく企画することにしました。
その結果、ソフトウェア品質に対する取組事例として一般財団法人日本科学技術連盟 SQiP活動におけるSQuBOK (http://www.juse.or.jp/software/365/)の紹介を、ソフトウェアテストサービス/ソリューションの代表例として、株式会社ベリサーブ( http://www.veriserve.co.jp/)の取り組みを紹介するべく打診したところ、両社より快くご協力いただける運びとなりました。
日本科学技術連盟様、ベリサーブ様におかれましては、今回のJFTL出展について、御協力いただいたことに対し、本レポートにおいて厚く御礼申し上げる次第です。
なお今回のJFTLには、日本科学技術連盟様から笹部進氏、JSTQBからは私(大西)が参加しました。

写真/ブース風景
[写真4] ブース風景(右奥がJSTQBブース)

JFTLでは、NPO法人ASTERにおけるソフトウェアテストへの取り組みや、日本科学技術連盟様、ベリサーブ様の概要説明をJSTQBの出展ブースにて、フランスのエンジニアの方々と交流を図りながら紹介しました。

写真/セッション司会による冒頭ご挨拶
[写真5] セッション司会による冒頭ご挨拶
写真/大西によるプレゼン前半
[写真6] 大西によるプレゼン前半
写真/JSTQBによるプレゼン会場風景
[写真7] JSTQBによるプレゼン会場風景
写真/JSTQBによるプレゼン会場風景2
[写真8] JSTQBによるプレゼン会場風景2

メイン会場とは別のパラレルセッション会場では、90分の時間を頂戴して 「An introduction about Software Testing community & Trends in Japan」というタイトルでプレゼンテーションを行いました。日本のソフトウェア品質やテストのコミュニティやトレンドについては大西が、SQuBOkの紹介は笹部氏が話をしました。

セッション冒頭、CFTLのエリックさん(ISTQBの役員としてもご活躍されています)からCFTLがJSTQBを招聘した経緯などを含めたご挨拶がありました。

プレゼンテーションは、スライドは英語で表示し、講演者が日本語で話し、それを通訳さんがフランス語に逐次通訳するという形式で実施しました。フランスのエンジニアは日本人と似たところがあり、英語の読み書きは大丈夫だとしても、コミュニケーション(会話)は苦手な方が多いからだそうです。部屋自体は40名程度収容の部屋だったのですが、ほぼ満席の状態のときもありました。(注:外国のセッションはプレゼンテーション中でも自由に出入りすることが多いため)

笹部氏からは、日本語とフランスの文化の相互交流について芸術作品を例に挙げて紹介されました。葛飾北斎の浮世絵を、ゴッホが模写した例などです。
相互交流という観点から、SQuBOKについてもフランスをはじめ、広く世界各国から知見を取り入れたいとのメッセージを笹部氏は発信されました。この主張はフランス人の参加者にも十分伝わったと思います。

写真/会場 出展ブース風景
[写真9] 会場 出展ブース風景
写真/全体セッション風景
[写真10] 全体セッション風景

JSTQBの出展ブースには多くの参加者が立ち寄られました。通訳さんを介したり、英語を使ってソフトウェア品質やテストに関して情報交換したりすることができました。
変わった質問としては、「CFTLとJSTQBの違いは何か?」といったものがありました。話をして分かったのですが、ISTQB加盟のNational Board(基本的には、1か国/地域、1組織)の形態に関する疑問でした。他にも日本でのISTQBの資格取得状況や、どういった業種/開発における役割のエンジニアがISTQBの資格を取っているのか、といった質問もありました。資格取得者数という意味で、CFTLとの比較は興味深いものがあります。フランスと日本の人口比は見ると、日本がフランスの約2倍なのですが、この比と同じく、Foundation Levelの合格者数も日本が約2倍です。JSTQB/CFTL共に2005年からISTQBに加盟しましたので、ほぼ同じような増加率をたどったことが分かります。

わずか1日の会期ではありましたが、ISTQBのスキームのフランスでの浸透度合いなどを肌で感じることができました。またこのことからもISTQBのスキームがワールドワイドで広がっていることによって生まれている様々な価値について認識を深めることができました。こういったISTQBへの参加によって得られた知見などを、今後も日本の皆様にお伝えしていければと思います。

写真/おまけ1 写真/おまけ2 写真/おまけ3

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