HOME > 事業内容 > ASTER 技術セミナー

ASTER 技術セミナー:
 「ASTERセミナー標準テキスト」公開について

2018年9月1日
特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会
教育事業

特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会では、「ASTERセミナー標準テキスト」を、2018年9月1日に公開しました。

「ASTERセミナー標準テキスト」は、ソフトウェアテストの教育時に活用いただけるプレゼンテキストです。PowerPointファイル形式で提供しますので、人材育成に活用ただければ幸いです。ただし、有償のセミナーでご活用いただく場合は、活用後、どこでどのような活用がされたかの情報をNPO法人ASTER(query@aster.or.jp)へご連絡ください。無償の勉強会や社内勉強会などでの利用は自由ですし事後報告も不要です。

[ページトップへ]

「ASTERセミナー標準テキスト」 の公開によせて

特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)は、初心者向けのテストエンジニア研修のテキストを2018年9月1日に公開しました。本テキストは、利用ライセンスに基づいて頂ければ、無償でオープンな勉強会のみならず、社内のクローズドな研修や、社外向けの有償のセミナーにもご利用頂けます。皆さん、ぜひどんどんご活用ください。

我が国の産業競争力の向上は急務であり、特にIT産業に関しては論を俟ちません。その一つの解は品質でしょう。しかしIT産業における品質への誤解は強く、誤った考え方に基づく品質保証によって形骸化や重量化を招き、競争力の足を引っ張ってしまっている企業も数多く見られます。逆に日本品質などと観念的なスローガンを掲げることで実際の活動に落とし込めず思考停止してしまっている企業もまた、数多く見られます。重要なことは、品質というこの深遠な概念に対する適切な理解や議論、そして基礎から最先端まで幅広い、地に足のついた技術です。
ソフトウェアテストは、品質を支え競争力を向上する重要な概念であり技術です。
ソフトウェアテストの考え方を理解し技術を向上することで、品質は健全に向上していき、競争力が向上していきます。

我々ASTERが活動を始めてから12年が経ちました。その間にずいぶん我が国でのソフトウェアテストの技術は普及し、水準も向上しました。JSTQB認定テスト技術者資格Foundation Levelの累積合格者が1万人を大きく超えたのは、分かりやすい例でしょう。インターネットではテストに関するたくさんの技術情報が共有され、無償のオープンな勉強会も多い時は毎週のように開催されています。国内向けの技術カンファレンスや技術コンテストがいくつも実施され、国際カンファレンスも誘致されました。興味深いテスト技術が色々と生み出され実践され、先端的な研究開発をするグループも複数活発に議論を行っています。微力ではありますが、ASTERはその一助となるべく活動を続けてきました。

一般に、技術水準を高めるには二つの方向性があります。最先端の技術を引き上げる方向と、基礎的な技術を底上げする方向です。どちらが欠けても、健全な技術向上は実現できません。両者は独立なものではなく、互いに依存するものです。最先端の技術が向上すると、ビジネスが活発になり規模に対する需要が喚起され基礎的な技術の底上げが行われます。基礎的な技術の底上げが行われると、そこから確率的に、もしくは誘導される形で、最先端の技術向上に寄与する人財が現れます。基礎的な水準のエンジニアは最先端の技術を持つエンジニアに憧れ近づこうとしますし、最先端の技術を持つエンジニアは成長しつつあるエンジニアが増えることによって多様なアイデアや課題を得ることができます。ASTERはこれまで、その二つの方向の取り組みにバランス良く取り組んできました。

基礎的な技術の底上げに重要なのは、スケールアウトの考え方です。ASTERのようなボランティアによる小規模なNPOでは、我が国の巨大なIT産業の全てをカバーすることはできません。ASTERがすべきことは、水面に波紋が広がっていくための最初の一滴を落とすことであり、波紋が消えないようにすることです。そこで我々は最初の一滴として、ソフトウェアテストに関する基礎レベルの技術テキストを作成し、無償で公開することにしました。このテキストを使って日本各地でどんどん勉強会や研修、セミナーを開催して頂き、波紋を広げて頂ければと考えています。もちろん大学や専門学校、高校の講義でも使って頂ければ幸いです。

水滴は、どこまで行っても水滴に過ぎません。本当に大事なことは、波紋をどんどん広げて頂くことです。ASTERには、波紋を広げる主役にはなれません。皆さんこそが主役です。このテキストを使って学んだエンジニアが、またこのテキストを使って他のエンジニアの方々に教える。またその方々が、もっと多くの方々に教えていく。一部で構いません。時間がある時で構いません。皆さんは、たった一人の孤立したエンジニアではありません。波紋を伝えていく主役であり、仲間なのです。その一つ一つの、ほんの小さな波紋を広げる活動こそが、仲間を増やし、技術を底上げし、ひいては我が国の産業競争力を向上させていくのです。

技術を高めることは、楽しいことです。仲間が増えることは、楽しいことです。技術が高まれば、より面白い仕事に取り組むことができ、待遇がよくなる可能性が高まります。自分が所属する組織は、よりよい仕事を達成することができ皆がシアワセになります。仲間が増えれば、技術に関するおしゃべりができたり、分からないことを気軽に尋ねることができたり、新しい技術を学ぶことができるようになりシアワセになります。何より、特に品質保証やテストのエンジニアが少ない組織では、自分は一人ではないんだという心の支えを得ることができます。このテキストを通じて、一人でも多くのエンジニアが技術を高め、仲間を増やし、楽しみ、シアワセになることを心から願っています。

2018年8月 ASTER理事長 西 康晴

[ページトップへ]

「ASTERセミナー標準テキスト」の使用条件

◆著作権について

本ドキュメントの著作権は、特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会(以下、NPO法人ASTERと表記する)に帰属します。
NPO法人ASTERは、本文書の内容に関し、いかなる保証もするものではありません。万一本文書を利用して何らかの損害が生じた場合においても、一切責任は負いかねますので、利用者の責任においてご活用ください。また、本文書に記載されている事項は予告なしに変更または廃止されることがありますので、あらかじめご了承ください。

◆本ドキュメントの取り扱いについて

本文書は、営利・非営利、公開・非公開を問わず、勉強会やセミナーでの使用を目的とした複製・改変が可能です。
(ブログや書籍化などの『勉強会やセミナー』以外での使用はできません)

本文書を複製・改変する場合は、下記事項を明示してください。

なお、本文書を使用する場合の連絡については下記をルールとします。

  • 無償の勉強会や、社内での勉強会に利用する場合は連絡不要です。
  • 有償のセミナーで利用する場合は、どこでどのような活用がされたかの情報をNPO法人ASTER(query@aster.or.jp)へ連絡してください。(目的:NPO法人ASTERが利用状況を把握するため)

◆本ドキュメントのサポートについて

NPO法人ASTERはテキストの内容についてのご意見・ご要望を歓迎しますが、ご質問・ご要望に対する回答義務は負わないものとします。

「ASTERセミナー標準テキスト」

本テキストは、本文、および、解答例の2分冊となっています。

ASTERセミナー標準テキスト[Ver3.1.2](最新版)
(ASTER_Seminar_Text_V3.1.2_20230303.zip)

【過去のテキストのダウンロード】

ASTERセミナー標準テキスト[Ver3.1.1]
(ASTER_Seminar_Text_V3.1.1_20200127.zip)

[ページトップへ]

詳細・お問い合わせ

本件に関するお問い合わせ先

特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会
 E-mail: query@aster.or.jp

[ページトップへ]